岩波版の不思議な少年読了。
大雑把な感想としてはサタンの高二病がひどくて読み苦しい。先にこちらを読んでいたら角川版には絶対に手を出さなかった。

冒頭と冒頭で出てきた登場人物とラスト以外全部違うという有様で、改変の前後というより二次創作かパラレルワールドの感覚で読み進める。読後にざっとぐぐって背景を確認できそうなものを発見。
最終講義「私のマーク・トウェイン研究」 - 東北大学
日本語訳の見当たらないバージョン違いがあと一つあるらしい。英語に取り組むしかないのか。


固有名詞消して、時代設定変えて、ラストも他から持って来て……とまで変えればそりゃアイロニーもどこかへ行ってしまって、とりあえず全てを否定することが主目的の青年の話になるのも道理。角川版は(私怨が含まれつつも)固有名詞がだいぶ出てきていたからアメリカ文化への愛着や庶民への期待が理解しやすかったのかもしれない。原著は面白く読めそうな気がした。
主人公の印象の違いはラストへの伏線の有無の他に、翻訳の影響が大きいような気がする。

1999年以降の改版では控えめながらも改変箇所の解説が追加されているらしい。
後日確認できるまで記憶していられるといいのだけれど。